アニメ「幸腹グラフィティ」第8話感想。
2015年 03月 05日 (木) 07:25 | 編集
では、幸腹グラフィティアニメ第8話の感想行ってみましょう。

第8話のタイトルは「ほくほく、はぷっ。」

原作で言うと第10話の話が元となっています。体育祭のリョウちゃんのお弁当をきりんちゃんが作ってあげて…と言うお話ですね。


大体の流れは原作とほぼ同じだったのですが、大きく変わったポイントとしてはきりんちゃんが作ってくれたお弁当に対するクラスメート達の反応が加わっていますね。

原作ではほんの1コマだけの描写でしたが、アニメの方ではここを大きくクローズアップ。リョウちゃんがあまりに美味しそうにお弁当食べるものだからクラスメート達がつい手を伸ばして…。


だけど…。

kohukug32.jpg

「あれ…意外と普通?」
「て言うか、普通よりちょっと…」


それに対してこのリョウちゃんの美味しそうな表情と言ったら…!!

kohukug33.jpg

この対比が実に良いですね。リョウちゃんにとって、きりんちゃんが作ってくれたお弁当がどれだけ特別で美味しいものだったのか、それがよく伝わってきます。


きりんちゃんが作ってくれたお弁当、それは、もしかしたら味そのものはごく普通…いや、そもそも料理なんてロクにしたことの無いきりんちゃんだから、普通以下の味だったのかもしれません。

だけど、重要なのはそこじゃないんです。自分が一番大好きな人が、自分のことをしっかり思いながら作ってくれたご飯…それは何事にも代えがたい美味しさがあるってことなんですよね。


更にこの回、原作にはなかった要素として、きりんちゃんが自らもお弁当を試食(椎名さんも巻き添え)と言うシーンも加わっています。

食べてみた感じとしてはきりんちゃん、どうやら失敗してしまった様。そしてそれをリョウちゃんに「お弁当美味しく出来なかった…」と泣いて謝ります。

だけどリョウちゃんは「美味しかったですよ…」と。それは勿論、気休めなんかではなくって本当にリョウちゃんにとってはこの上ない美味しさだったと言うことなんですよね。

きりんちゃん自らが食べてみて、自分自身ではやはり上手く出来なかった…と言う描写が加わることで、逆にリョウちゃんにとってこのお弁当がいかに特別で美味しいものだったのか、それが一層よく伝わる様になっていますね。


また、アニメオリジナルと言う点では、お弁当のレシピに一品、サツマイモのレモン煮が追加されていました。これはリョウちゃんの書いたメモにはなかったのだけど、きりんちゃんがお母さんに聞いた品なんですよね。

曰く、リョウちゃんのおばあちゃんがお弁当によく入れていた品なんだとか。つまり、リョウちゃんにとっては想い出の味なんです。

それを作って入れると言う辺り、きりんちゃんがリョウちゃんのことをいかに思いながらお弁当を作ろうとしていたのか…それがよく分かると思います。

この辺りの改変は非常に良い改変だなぁと感じますね。


「幸腹グラフィティ」のアニメ、12ページ前後の原作1話で30分アニメを構成しているので当然、オリジナル要素も毎回入ってくるのですが、それが本当に良い方向に作用していると思います。

脚本や構成をされている方が原作をよく読み込んで理解して、そして思い入れと愛情を持って作られているのだなぁ…と、そうひしひしと感じます。


さて、今回の次号予告。

kohukug34.jpg

話の内容にちなんで体育祭の特訓(?)をしているきりん&リョウでした。リョウちゃんが走るのどんどん遅れて行って…と言うのがいかにもと言う感じですね。

そしてこの予告で語られている内容からするに、次回の話は単行本2巻の2話目、つまり原作12話の話になるような気がしますが…そうなると11話目の話は飛ばされちゃうのでしょうか。

その辺り気になるところですが、次回の放送を待って確かめたいと思います。


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この記事へのコメント
リョウときりんの最適解
今回はいつにも増してアニメオリジナル要素が強めで、それが非常に大きな意味を持っていたように感じました。
お弁当を上手く作れなくて泣いてしまったきりんに「本当に美味しかったんです」と言って褒めてあげたリョウの姿は、かつて運動会でボロボロになってしまって泣いてしまったリョウに「よく頑張ったね」と褒めてお弁当を食べさせてくれたおばあちゃんの姿と重なるんですね。
リョウはおばあちゃんの事を尊敬していて目標にしているんだけど、気負ってしまって無理を重ねてしまい却っておばあちゃんから遠ざかってしまっていた。おばあちゃんは決して無理をしてリョウの世話をしていた訳ではなく、影の努力はしていたにせよあくまでも自然体であったのに、リョウは気負いのあまりこの一番大切な部分を受け継げていなかった。
そんなリョウが、自責の念に駆られて泣きじゃくるきりんを前にして、初めて自然体の優しさを、おばあちゃんと同じ優しさを見せられるようになるんですね。
そもそもリョウの問題点は「気負って無理をしている」事であって、「人に甘えることが出来ない」事ではなかった。だから「自然体で」ありさえすれば「無理に」きりんに甘える必要もないわけです。
こうして、リョウのきりんへの接し方について、原作も辿り着けなかった"最適解"を導き出した事こそ、今回のエピソードの最大の功績だったのではないでしょうか。
本当に、ストーリーテラー岡田麿里さんの真骨頂を見せつけられた思いがします。ドロドロ展開ばっかりの人ではなかったんだな、と。
さて、アニメも残すところ後4話ですが、最終回が高校入学式だとすると原作エピソードの残りは6話で、焼き芋回がスキップ、ブリ大根はアニメ1話に登場済み、で丁度良く収まる勘定にはなりますね。この内木ユキファンのヤキモキを最後まで引っ張る戦略、何企んでるんでしょうねぇ・・・。
2015/ 03/ 05 (木) 17: 42: 47 | URL | 雲母の奇跡 # -[ 編集 ]
softbank.ne.jp.hoshi
こんにちはーー学校がはやああああく終わったあああああ!
それにしてもかわいい娘ちゃんばかりですねー。。幸腹グラフィティは僕推しのアニメの一つですから………
そういえば、桜トリックのブルーレイ買いました。4190円。
高えええ。
2015/ 03/ 06 (金) 16: 17: 27 | URL | 銀河鉄道管理局 # -[ 編集 ]
>銀河鉄道管理局さん
幸腹のアニメはホント良いですね。毎週の大きな楽しみです。
桜Trickのブルーレイ…僕は2セット持っていますが?w

>雲母の奇跡さん
毎度のことながら雲母の奇跡さんの読み込み(視聴)の深さには感服します…。
リョウちゃんにとってきりんちゃんのお弁当がどれだけ特別なものだったか、そこまでは僕も考えたのですが、その裏にあるリョウちゃんの気負いだとかそこまではさすがに考えませんでした…。
でも確かに仰るとおりだと思います。それにしてもホント、岡田麿里さんの脚本が実に良い方向に作用していますよね。
2015/ 03/ 07 (土) 08: 17: 20 | URL | オウジー # -[ 編集 ]
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