2015年2月・山口鉄道旅(5)
2015年 03月 01日 (日) 19:23 | 編集
- 二日目(中編)・金子みすゞの町、仙崎 -

「みすゞ潮彩」での楽しい鉄道旅を終えて降り立った仙崎の駅。

201502yamaguchi61s

駅自体はいかにも田舎のローカル線の終着駅と言った風情が漂っています。

が、駅舎内にはちょっとした仕掛けが。

201502yamaguchi62s

こんなモザイクアートが飾られているんです。仙崎と言えば童謡詩人・金子みすゞの生まれ故郷として知られる町。その金子みすゞを描いたモザイクアートが飾られていると言うワケなんですよね。


さて、駅を出てまずはそのまま港の方へと向かってみます。仙崎は港から遊覧船が出ているとのことでそれに乗ってみようと思います。

駅からほんの5分も歩けばそこは遊覧船の発着する港。周りにはおみやげ屋さんもあったりするのですが…なんと言うか、とても寂れています。潰れてしまっているのか閉まっているお店もちらほら。

有線なのか何なのか音楽も流れていたりするのですが、その選曲のチョイスも例えばレベッカなんかが流れていたりして、一体ここは何時の時代なんだ?と思ってしまうほど。ものすごく昭和の匂いが漂っている、そんな空間ですね。


さて、遊覧船なんですがこんな船に乗り込みます。

201502yamaguchi63s

もっと大きな船が来るのかと思いきや意外にもこじんまりとした船。そしてこの仙崎の遊覧船、本来ならば仙崎沖の青海島周辺をぐるっと廻るのですが、この日は風が強く波が高いとのことで島の東側のみを回る大島コースに変更だそうで。


しかしこれが…本当に予想以上に波強かったです…。

201502yamaguchi64s

終始こんな感じで高い白波が打ち付けて、ガラスも曇ってしまっていて写真もロクに撮れません。ゴツゴツした島の岩肌だとかの風景自体は非常に迫力があって見応えがあるのだけれど…。

と言うか、ホント波高すぎ!!

油断してると大きな波が来て船体がぐわぁあんと揺れます。船酔いこそしなかったものの、船が転覆するんじゃないかとビクビク怯えながら乗ってました…w


そんなワケで1時間ほどの遊覧船乗船を終え、若干げっそりしながら町へと戻ります。今度は仙崎の町をぶらぶらと散策してみることにします。

201502yamaguchi66s

町並み自体はどうと言うことはありません。ごく普通の田舎町と言った風景。

なのですが、至る所に金子みすゞの詩が書かれた看板が立っていたりします。

201502yamaguchi67s

この看板は郵便局近くに立っていたものですが、他にも一般民家の軒先だとか、本当に至る所にこんな感じで金子みすゞの詩が掲げられています。そんな詩を読みながら町をぶらぶら歩いてみるのもまた楽しいものです。


こちらは金子みすゞの記念館。

201502yamaguchi65s

彼女が幼少期を過ごした、金子文英堂跡地に出来た記念館ですね。やはり仙崎へ来たのならここは観ておかなくてはいけません。

館内には彼女の遺品や雑誌などと共にその残した詩が展示され、また金子みすゞと言う人の人生についてもしっかりと書かれていて学ぶことが出来るようになっています。

しかし、その数々の詩を読んでいて思ったのはこの金子みすゞさんと言う人は本当に感受性豊かな優しい方だったのだろうなぁと言うこと。その詩も優しくて、スッと心に馴染んでくるんですよね。

そして優しいだけじゃない。物凄く芯の強い方だったんだろうと思います。彼女の最後は自殺なのですが、それも全て残された娘を守る為のこと。

男尊女卑の根強い当時、離婚しても親権は父親が主張すればそれがまかり通ってしまう時世に愛する我が子をどうにかして、離婚した元夫ではなく自分の母に育ててもらいたい…その為には自身で命を断つしかなかったんですよね。

なんと言う壮絶な人生だったのだろう…そう思います。


さて、仙崎の町なんですが、先ほど駅で見かけた様な金子みすゞのモザイクアート。それが町の中にも何箇所か飾られています。

まず、記念館にほど近い場所にあるのがこちら。

201502yamaguchi68s


次に、あるホテルの外壁に掲げられた巨大なモザイクアート。

201502yamaguchi69s

左側が二十歳前後の金子みすゞ、右は女学生時代の金子みすゞなんだそうです。


そしてこのモザイクアート、すごいのが左右見る角度を変えると絵ががらっと変わるんですよね。

201502yamaguchi70s

左方向から見てみると右半分に女学生時代の金子みすゞ。左側には青海島の荒岩の風景。それが夕日に浮かんだ様な感じで見えてきます。


201502yamaguchi71s

逆に右から見てみると左半分に二十歳前後の金子みすゞ。右半分には青海島の遠景でしょうか。色も全体が海をイメージしたブルーのものとなっています。

そしてこのモザイクアート、なんと20000枚ものタイルが使われているらしいのですが、近づいてみるとその1枚1枚にも何やらメッセージが書かれているのが分かります。いやはや…これは本当に凄いものです。

たくさんのタイルを組み合わせて絵を作ると言うだけでも凄いのに、見る角度によって絵が変わる様に作ると言うのは相当に入念な計算をしなければ出来ないことでしょうに…。


更に圧巻がこちら。町の中にある一軒の建物。

201502yamaguchi72s


内部へと入るとこんな空間が広がっています。

201502yamaguchi73s

これも勿論モザイクアート。金子みすゞの代表作「大漁」をモチーフにしたアートなんですね。


そして建物入り口付近には照明の切り替えスイッチがあるので、それを押してみます。

201502yamaguchi74s

ガラリと雰囲気が変わります!!

201502yamaguchi75s

描かれている詩自体は一緒なのですが、「大漁」にちなんでイワシの群れがライトにぼわっと浮かび上がってくる、そんな仕掛けになっているんですね。

何より凄いのがこのモザイクアート、上で紹介したものも含めて全て見学は無料なんですよね…こんな凄いアートが町のあちこちに飾られていて、しかも無料で楽しめてしまうだなんて…仙崎と言う町は実はふところの深い、心豊かな町だと言えるのかもしれません。


仙崎の町ぶらり歩きをじっくりと楽しみ、時間はいつの間にかもう16時過ぎ。この町を後にし、山口の方へと向かうことにします。


2015年・山口鉄道旅(6)へ→


Comment
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL :
comment :
password :
secret : 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright (C) 酒と音と鉄旅と。 all rights reserved.
designed by polepole...