「ウィーンで歌ってみて」2巻。
2017年 06月 27日 (火) 13:10 | 編集
では、今月12日発売のKRコミックスの中からフクハラマサヤ先生「ウィーンで歌ってみて」2巻の感想っぽい記事、行ってみましょうか。


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12日発売のきららコミックスと言えば、きららの中でも大判コミックの4コマではなく、B6サイズのきららフォワードのコミックスですね。と言ってもこの作品はフォワードに連載されていたのではなく、web連載と言うちょっと変わった形式のコミックスだったりします。

1巻の感想でも触れましたが、ニコニコ静画内にある「きららベース」と言うきらら公式チャンネル内にて連載されていたんですよね。雑誌ではなくweb連載と言う、いわばきららにとっても初の試み。

一体どうなることやらと色々な意味でハラハラドキドキしましたが、こうしてきちんと完結してコミックス2巻として出たので読者としては嬉しい限りです。


裏表紙はこちら。

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表表紙が歌音&リーナの主役2人なのは1巻と同じですが、2巻では裏表紙の方にフランカ、マリー、ソフィーと彼女らを支えた仲間たちの姿が描かれています。

そして裏表で繋がった、ウィーンの綺麗な町並みが背景に描かれていて…この辺りは1巻と同じスタイルを取っていますね。

あと、この2巻のカバー折り返しの部分を見ると、他に登場した愛すべき(?)大人のキャラクターたちも描かれていたりします。


さて、1巻では色々と紆余曲折、意外な展開を見せてくれたこの作品ですが、2巻の方ではもっと大きくダイナミックにストーリーが動きます。

1巻ラストの続きで、姿を消した歌音ちゃんを追ってリーナちゃん達がウィーンからザルツブルグまでやって来たと言うところから話は始まりますが、歌音ちゃんに無事に出会えてウィーンへ連れ戻すことが出来たと思ったら今度はなんと、リーナちゃんが日本へ行くことになったり…。

声楽家の大家・ハスラー氏の発案でリーナ&フランカの2人が日本へ行くことになるのですが、このハスラーさんがちょっと悪そうな雰囲気のおじさんだったりで、読んでると色々と心配になってきたりもします。

と言うか、歌音ちゃんのお父さんにしてもそうなんだけど、どうもこの作品に出てくるおじさん達ってあまり人相が良くない気が…それに加えて何かと「含みのある」言動が多いですしね。それが独特の緊張感を生み出している様にも思います。

まあ、最後まで読んでしまうとそんなおじさん達も別に見た目ほど悪い人じゃなかったなぁと言う感じだったりもしますがw


舞台はザルツブルグ→ウィーン→日本へと目まぐるしく変わったり、リーナサイド・歌音サイドと別々の視点から話が描かれたり…コロコロと場面は変わりますが、話がとっちからかっている印象は全くありません。

それはきっと、最初から最後まで主題が一貫しているから、なのでしょう。

この作品のテーマって、まさにガール・ミーツ・ガールなんですよね。そして、その出会いを通じて自身の音楽への想いに気付けた、そんな少女たちの物語。

リーナちゃんに初めて出会った時に「私の歌姫になってほしい」そう言った歌音ちゃんの気持ち。そこに向けて話が一本に進んでいくんですよね。

思えば、思わせぶりな言動をする悪そうなおじさん達も、彼女たちの音楽のストーリーを盛り上げる良い障壁にして引き立て役だったのかなぁ、と。読み終えてみるとそんな風にも感じられます。


ハスラー氏の用意した日本での舞台で歌うことになるリーナ&フランカ。当然、そのために用意された曲で歌うことになるのだけれど、もやもやした気持ちを隠しきれないリーナ、そして歌音…。

リーナちゃんにしてみれば、自分が初めて歌うオリジナル曲は歌音ちゃんが作ったものであって欲しいと言う気持ちだったのでしょうし、歌音ちゃんも同じ。ただ、歌音ちゃんの方にはリーナちゃん達の舞台を邪魔したくないと言う思いもあるんですよね。

そんな歌音ちゃんの気持ちを、自身に素直になるようにと後押ししたのがリーナちゃんのお母さん、声楽の女王クラウディアとの出会いなんですよね。

この2巻ではホント、周りの大人たちがストーリーの組み立てに上手に絡んでいるなぁと思います。


歌音ちゃんは全力で曲を完成させ、それをリーナちゃんの元に届けて…「ウィーンで歌ってみて!」と名付けられたその曲を舞台で歌うシーンは、まさにこの作品全体のクライマックスに相応しい、圧倒的な迫力がありました。

歌音ちゃんがリーナちゃんの為に作った曲を歌う、このシーンをクライマックスに持ってくることは作品が始まった時から既に決められていたのでしょう。

そして、その為だけにストーリーが動いていたから、だから舞台がめまぐるしく変わったりしても話がバラけることなく上手にまとまっていたんだと、そう思います。


それにしても、ハスラー氏もなんだかんだで歌音ちゃんが作った曲をリーナちゃんが舞台で歌うのを許していますし、歌音ちゃんのお父さんも娘に作曲とか自由にやらせてますし…うん、やっぱりこのおじさん達、見た目悪そうでも全然悪い人じゃなかった気がw


そんな「ウィーンで歌ってみて」、ストーリーの構成力はさすがフクハラマサヤ先生だなぁと言う感じでしたけど、あとは百合的要素も色々見逃せないところ。

歌音×リーナは鉄板ですが、リーナ×フランカの良きライバルと言った関係性も捨てがたいし、リーナ×マリーの幼馴染みも良い。ソフィーさんなんかは誰と絡ませても美味しいですし、色々と妄想が広がりますw

あと、百合的なところで忘れちゃいけないのが、歌音ちゃんのお母さんとクラウディアさんの関係。リーナちゃんと歌音ちゃんが運命の出会いであった様に、彼女らもまさに運命の出会いを果たしていたんですよね…。

そうなると、半ば強引にクラウディアさんの前から歌音母を連れ去った歌音父はやっぱり悪い人と言うことに…いやでも、そうでなかったら歌音ちゃんもリーナちゃんも生まれていなかったしなぁ…難しいところですw

しかしともあれ、運命の出会いを果たした母同士が成し得なかったことを娘達がこれから成し得ていくんだろうと、そう思うとなんだか非常に感慨深いものがありますよね。母娘二代に渡る壮大な百合大河ドラマ…と言えなくもない(?)


あとはこの作品、作中に描かれているウィーンやザルツブルグの美しい町並みや、オーストリアならではの文化なども見逃せないところでした。

きららには異文化交流モノってしばしばありますけど、大半が作品の舞台が日本なせいか、外国の風景だとかがガチに描かれた作品ってあんまり無いんですよね。


そんな「ウィーンで歌ってみて」2巻、特典も集めてきました…と言いたいところですが、今回は特典一種類だけとのことだったので、この一つのみ。

COMIC ZINで付いてきたイラストカード。

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リーネちゃんの水着!! ビキニ!! まぶしいっ!!

カラーじゃないのが残念ですがこれは素晴らしい…作中では描かれなかった水着姿と言うのは実に貴重ですね。

もっともこの作品、水着姿は無くても作中でメインヒロインのほぼ全員がシャワーシーンを披露していましたけど…そしてそれがカバー下でネタにされていましたけどww


「ウィーンで歌ってみて」そして前作の「水瀬まりんの航海日誌」この2作品でフクハラマサヤ先生のストーリーテラーとしての実力は充分以上によく分かりましたし、次は是非、きららミラクで本格ファンタジー4コマなんて描いて頂けたら、ファンとしては嬉しいなぁ…なんて思うのでありました。


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