2017年9月・レストラン列車乗り比べの旅(2)
2017年 10月 07日 (土) 06:22 | 編集
- 一日目(中編)・雪月花の旅 -

13時過ぎに駅へと戻り、えちごトキめき鉄道の改札を通ります。すると改札の向こうに雪月花の受付所がありますが、受付は13時半から。ただ、駅員さんに聞いてみたらホームへ行ってみても良いとのことだったので降りてみると、もう雪月花が停まっていました。

201709shinsyu018s

午前の便が終点の糸魚川までやって来て、そしてこれから僕の乗る、午後便となって折り返すと言うわけですね。しかしこの時、今思えば受付済ませる前に一度ホームに来て正解でした。

と言うのも、受付後に降りてくるとこれから乗る客がホームにたくさんいて、とてもゆっくり写真撮ったりとかそれどころじゃなかったので…w

それにしても雪月花、かなりインパクトのある車体です。真っ赤なボディは天井方向に高い造りで、車体限界いっぱいまで車両を大きく造ったんだろうなぁと言うのが伺えます。前面のフェイスも非常に独特で印象的。

とりあえず写真撮影を済ませて再び上へ。13時半に受付を済ませてホームへと降ります。

ホームでは、雪月花の車内でこれからの午後便に向けての準備が始まっていました。

201709shinsyu019s

この時凄いなと思ったのがこの雪月花、車内を準備する際はカーテンを完全に締め切って、外から車内が見えない様にして行っているんですよね。なるほど…こういうところから雰囲気作りが行われるのだな、と思った次第。


雪月花のサイドビュー。

201709shinsyu021s

201709shinsyu020s

金の装飾文字やロゴ、赤字に白で描かれた桜吹雪…至るところに雪・月・花を思わせる装飾が施されていますね。


時間は13時40分を回った位でしょうか。扉が開きました。さあ、車内へと入ります。

201709shinsyu022s

僕の座席があるのは1号車。入ってみると1号車は座席が全て、海側を向いた造りとなっています。それにしても天井の高さと、窓の大きさとが際立ちますね。この天井の高さからハイデッキ車両なのかと思いきやそうではなく、床面は通常の高さの様ですね。

山側座席のアップ。

201709shinsyu024s

本来なら2人で座れる座席ですが、本日はこの座席を1人で使わせて頂けたので非常にゆったり。上越妙高までの3時間、快適な旅を過ごせそうです。


1号車の最前部はハイデッキ展望室。

201709shinsyu023s

運転室越しにはなりますが、大きな窓で前面展望を楽しむことが出来ます。チェアーなども備え付けてあって、乗客ならば誰でも立ち入ることの出来るフリースペースとなっています。

…と言ってもこの雪月花、車内でゆっくり飲んで食べて…を楽しむレストラン列車なので、展望室へ行く人もそんなに多くない様な気はしますが。


さあ。座席へと着きます。

201709shinsyu025s

テーブルには立派なお重が用意されています。さあ、中は一体どうなっているのでしょうか。

そして座席に着いてすぐ、アテンダントさんがウェルカムドリンクを聞きに来ます。そうです、この雪月花ではなんとウェルカムドリンクのサービスがあるのです。ウェルカムドリンクはノンアルコールとスパークリングワインとありますが、もちろんスパークリングをチョイス!!

201709shinsyu026s

13時55分に列車は糸魚川駅を出発、そしてウェルカムドリンクのスパークリングワインが運ばれてきました。見るとこのスパークリング、ちょっと色が濁っています。

なんでもこのワイン、新潟の「Fermier」と言うワイナリーのワインなんだとか。香りはしっかり、味の方は辛口ではあるんだけど舌の上に豊かな果実味や甘やかさを感じます。そして後口にかなりハッキリと、葡萄の果実本来の芳香を感じますね。これは美味しい!!

それにしても昼間から列車の中でスパークリングワイン…これはなんとも贅沢な気分になると言うものです。この日の為に三日間お酒を抜きにしてきた甲斐があったと言うものですw


スパークリングワインを飲み干し、いよいよお重へ手を付けます。また、同時に飲み物を…日本酒が新潟の地酒を何種類か取り揃えているとのことだったので、その中から潟舟の純米酒をチョイス。一合瓶で出てきます。

201709shinsyu027s

雪月花の午後便で出て来るのは三重になったお重に入った和食会席。糸魚川市にある、鶴来家と言う割烹が手掛けられています。

一の重がご飯物でベニズワイガニのちらし寿司、二の重が新潟の郷土料理的なものが多く積められていて煮物などが中心。三の重は旬の味と言うことで魚介類などが豊富に入っています。

どれも目に美しく舌に美味しいものばかりですが、なかでも個人的には三の重に入っていた「ヒスイうなぎの蒲焼」が美味しかったですね。あと、同じく三の重に入っていた「いくら茶碗蒸し」。冷えた茶碗蒸しがこんなに美味しいんだと言う驚きの逸品。

他にも二の重の「こくしょ」や煮物類なども美味しく、全体的に上品で優しい味付けにまとめられていると感じました。すっと胃に馴染む感じですね。

日本酒の方も香り高く、それでいてすっきりとして飲み飽きない、新潟らしいお酒。


こうして食事を楽しんでいる間に一つ目の停車駅、名立駅に到着。

201709shinsyu028s

これ、駅のホームから撮った写真なんですが、なんとこの駅、川の上にホームが掛けられていると言うちょっと珍しい造りをした駅だったりします。

また、この駅は雪月花の停車駅の中で唯一、屋根が無い造りをしているので写真撮影に向いている駅だと車掌さんが仰っていました。

201709shinsyu029s

なので、降りてホームを散策したり写真撮影を楽しむ乗客の姿が多かったですね。


名立駅で10分ほど停車した後に出発。列車は再びゆっくりと走り出します。この雪月花、乗っていて思ったのですが非常に静かですし揺れが少ないですね。

思えば全国各地のレストラン列車って気動車・電車問わず既存車両(しかも結構古い)の改造車が大半を締めていますが、それに対してこの雪月花は完全に新製車両。乗り心地の点では他社のレストラン列車を大きく凌駕している様に感じます。

また、雪月花は観光列車と言うだけあってビュースポットなど通る際には車内でアナウンスが入るのですが、専属車掌さんによるアナウンスがいちいち面白いのがポイント。

例えば、ある見どころを紹介した後に「残念ながらご覧になれなかったお客様には申し訳ありませんが、後でグーグルマップで確認してみて下さいw」と言った感じで、現代的なエッセンスを取り入れながらいちいち笑いを取りに来てくれますww


さて、車内で景色を見ながら食事の続きをしていると、今度はお椀が運ばれてきました。

201709shinsyu030s

お椀はいわしのつみれ汁。温かいものはきちんと温かいうちに食べてもらおう、と言うことでこうやって出来たてが運ばれてくるのが嬉しいですね。これも大変に優しいお味でホッとする感じ。とても美味しい。


お椀を食べて、食事の続きを取っていると次の停車駅、直江津に到着しました。

停車したホームの先の方まで行ってみると、ゼロキロポストがあります。

201709shinsyu032s

このゼロキロポスト、路線の起点を表す距離標ですね。信越本線は高崎が起点ですが、キロポストは直江津で一旦打ち切られ、直江津~新潟は直江津を起点とした表示になっているのだとか。

またこの直江津駅、駅では昔懐かしい駅弁の立売なんかが行われていて、雪月花の乗客でも買っている人の姿を見かけました。しかし、車内でしっかりとご馳走が出るのに更に駅弁買ってどうするんだろう…などと余計な心配をしちゃったりw


さて、直江津を後にして走ることしばらく。次の停車駅は二本木ですが、この駅はスイッチバック構造になっている駅と言うことで、車内アナウンスでもその様子を1号車最前のデッキから眺めてみる様に案内が入ります。1号車の乗客はこの時、もうほぼ全員展望デッキにいたのではないでしょうか。

201709shinsyu033s

二本木駅構内のスイッチバック構造を展望室より望みます。

この後、ホームへと列車はバックして入っていくのですが、その時にはなんと、普通列車と真横になって並走する迫力満点のシーンもありました。

そして二本木駅では15分の停車時間。ここで専属車掌さんによる、駅構内のミニツアーが開催されます。なかなか歴史のある駅らしく、昔ながらの運賃表など、色々と興味深いものもありました。

201709shinsyu035s

が、この時に異変が。

お、お腹が痛い…。


なんと言うハプニング。まさかのここに来て腹痛。それも単にお腹痛いだけじゃなくって、意識がボーッと遠のきそうに…このままだとまずいと思い、一人車両へと戻ります。幸い、自分の席で少し休んでトイレに行ったら復活しましたが…。

しかしまさか、ここでお腹痛くなるだなんて…今日のこの日の為にと、三日間お酒抜いてきたのが逆に災いしたのでしょうか。昼間からいきなりお酒飲んだからお腹がびっくりしたとか。

あるいは…僕は過去に大糸線のキハ52車内でも盛大に腹痛起こして死にかけたことありますし、もしかすると糸魚川発着の列車に乗るとお腹を壊す悪いジンクスでもあるのかもしれませんww


ミニツアーを中途半端にしか参加できなかったのは残念ですが…気を取り直して旅を続けます。列車は山間の田園と言った風景の中を走っていきます。

201709shinsyu036s


そして妙高高原駅に到着。

201709shinsyu037s

妙高高原駅、面白いのがホームの下に水路が流れていて、そこに金魚や鯉が泳いでいたりするんですよね。

201709shinsyu040s

雪月花と湘南色との並び。なかなかに貴重なカットかと。


妙高高原では20分弱の停車時間があって、乗客のほとんどが降りてお土産などを見たりしていますが、僕自身は先程糸魚川駅で土産も全て買ってしまいましたし…車内へと戻ります。そして改めて車内を見学。

201709shinsyu038s

せっかくなので、今回自分の席がある方ではない、2号車の方にお邪魔してみます。2号車の座席は全て向かい合わせの座席となっていて、完全なレストラン・カーとなっているみたいですね。また、こちらの最前部は1号車とは異なり貸し切り用のスペースとなっているみたいです。

201709shinsyu039s

改めて1号車も。比べてみると雰囲気が全然違いますね。海側を向いたシートが主となっている1号車は食事無しのプランでも乗車出来るみたいです。もっともこの日は、ほとんどの乗客が食事付きプランでの乗車みたいでしたけど。

しかしこうして改めて見ると、車内のインテリアかなり良い感じですよね。木をふんだんに使ったぬくもりのある雰囲気ながら、都会的なハイセンスさも持ち得た、そんなデザインだと思います。


そして列車は妙高高原を出発。終点の上越妙高へと向かいます。どうやら妙高高原で下車したお客も結構いる様で、気づけば1号車の車内は当初の半分以下くらいの乗客数になっていました。

201709shinsyu041s

妙高高原を出るとデザートが運ばれてきました。さるなしジャムの寒天、甘酒、味噌まんじゅう。どれも美味しかったですが、さるなしジャムは驚きの味。もっとこう、キウイフルーツみたいなのを想像していたのですが、もう少し酸味が鮮烈で野性味があります。

甘酒も添えられたしょうがを入れると新鮮な雰囲気で美味。

201709shinsyu042s

コーヒーはオリジナルブレンド。これもまた非常に香りが良い。何にせよ、列車の中で紙コップじゃないきちんとしたコーヒーカップでコーヒーが出てくると、なんだかとても贅沢な気持ちになります。

あとは車内でお土産品が配られます。雪月花オリジナルのコーヒーとお米と選ぶことが出来たのですが僕はお米をチョイス。新潟ならお米だろうと言う安易な考えでw

それと、せっかくなのでグッズを購入したのですが、雪月花のグッズっていわゆる鉄道グッズらしくないものばかりなんですよね。定番のクリアファイルとかピンバッジとかじゃなくって、もっとお洒落な感じの。

僕はポストカードを購入しましたが、これも写真ではなく、暖かい雰囲気のイラストでした。


こうして…糸魚川を出てから約3時間。16時47分に雪月花は終点、上越妙高に到着しました。

201709shinsyu045s

雪月花での旅はゆったりとして、素晴らしいものでした。ご飯の方も、温かいものはきちんと温かい状態で出てくるのが良いですし、デザートの出て来るタイミングだとかも実にゆとりがあります。まさに、ゆとりのおとな旅、そんな列車旅の楽しめる列車でした。

車掌さんも案内で仰っていましたが、新幹線なら15分で結ぶ糸魚川~上越妙高間を3時間かけて旅したわけですから、本当に贅沢な時間の使い方だったと言えるでしょう。

それだけに途中でお腹壊したのが悔やまれる…ww


面白い車内アナウンスに途中駅でのミニツアーなどで盛り上げて下さった専属車掌さんや、料理やお酒を各テーブルへ運んだりと大忙しだった車内アテンダントさん。駅で手を振ってくれた駅員さんや地元の方々。皆さんのおかげで素晴らしい列車旅が出来上がっているのだと、そう感じます。

改めて、皆さんへお礼を述べたいと思います。ありがとうございました!!

2017年9月・レストラン列車乗り比べの旅(3)へ→


Comment
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL :
comment :
password :
secret : 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright (C) 酒と音と鉄旅と。 all rights reserved.
designed by polepole...