「なでしこドレミソラ」5巻。
2018年 11月 15日 (木) 20:45 | 編集
今月12日にきららフォワードのコミックスより、みやびあきの先生「なでしこドレミソラ」4巻5巻が同時発売されました。その4巻の感想を昨日にアップしたところですが、最終5巻の感想、行ってみることにしましょう。


nadesora20181115_01s


これまで1~4巻の表紙では主役ヒロイン4人が1人ずつ登場してきたので、果たして最終5巻の表紙はどうなるかと思っていたら…なんと全員集合!!

それもいわゆるカメラ目線じゃなく、皆が別の方向を向いている様で、だけど同じ未来を見つめている…そんな構図になっているのが素晴らしいです。

青春のワンカットを切り抜いた構図、だけどそこには一瞬の青春の輝きだけではなくって、きちんと未来への希望も詰まっている。そんな絵に見えます。


裏表紙はこんな感じ。

nadesora20181115_02s

4巻から登場し、また4巻からの新たな展開で話の軸となっていた佐々木さんがデフォルメした姿で描かれています。


さて、この「なでしこドレミソラ」と言えばカバー下に登場人物のプロフィールが描かれているのが一つのお楽しみなんですが、主役4人が終わってしまったのでどうするんだろうと思ったら…なんと今回は表表紙の下には吟葉ちゃん吟芽ちゃんのお囃子姉妹のプロフィールが載っていました。

彼女たち2人と、美弥ちゃん達主役4人との身長比較図が載っているのも面白いです。こうして見るとこの2人はやっぱり小さいのですが、それに勝るとも劣らない…どころか吟葉ちゃんにはむしろ負けちゃっている陽夜ちゃん…w

更に今回、裏表紙のカバー下にはあわゆきさんこと淡路雪菜さんのプロフィールも載っていますね。これで主要登場人物のプロフィールはほぼ網羅されたことに…。

あと、あわゆきさんのバンドメンバーの紹介も簡単ながら載っていますね。あわゆきさんと一番仲の良い千草さん、名字が矢絣さんというみたいですが、矢絣と言えばこれまた和装の伝統柄の一つ。こういうところにもみやびあきの先生のコダワリを感じます…。


さて、この5巻ですが、内容的にはほぼ丸々文化祭に関わる話、そして4巻から続いている、美弥ちゃんの音を、気持ちを届けたいという物語になっています。

4巻では少し物語が暗いトーンに落ちる場面もありましたが、この5巻では文化祭ということもあってか、また美弥ちゃんが少し吹っ切れたところもあったのか、4巻よりも全体的に明るい雰囲気にまとまっている様に感じました。


面白いのは、文化祭でのステージを成功させるにあたってまずは知名度を高めようということで、各自色々な作戦に走るところ。

27話「ひよのひび」では恵真ちゃんが流した尺八の妖精の噂話(?)に従って陽夜ちゃんがとにかく、昼休みに尺八を吹きまくるのですが、これはホント彼女にしか成し得ない芸当かと。

千曲も暗記しているからどんなリクエストにも応えて吹くことが出来るというのもそうですが、最終的に皆からお礼のお菓子貰ったりと人気者になっちゃっているのは彼女の明るく前向きなキャラクターとマスコット的な雰囲気があってこそ、なんですよね。

そしてまた、この話では音楽的にこれまでになかった要素として、洋楽器・エレキギターとのセッションなんてものまで飛び出します。

ひょんなことから軽音楽部のギターの子と陽夜ちゃんがセッションすることになって…でもまた、この時の音の表現が実にこの作品らしくて素晴らしい。陽夜ちゃんの尺八の音にギターが入ることで音が華やかになっているのが、見事に紙面上で「絵」として表現されているんですよね。

思えばこの作品、最初にきららフォワードで読んだ時にその音の表現の描き方に驚かされたものですが、このギターとのセッションの場面では、最初に見た時のその驚きをまた思い起こさせられました。


28話「りっこうほ」ではなんと、あの香乃ちゃんが演劇の主人公に立候補します。あの人見知りで引っ込み思案…というか視線恐怖症な香乃ちゃんが演劇の主役…。

勿論これは、和楽器同好会の知名度を高めたいという気持ちがあるのでしょうけど、でもここまで思い切った行動に出ることが出来たのは、ひとえに彼女の成長の結果に他ならないと思います。

香乃ちゃん…大きくなったなぁ…(娘を見る父親の視点)


30話「てんとてん」からいよいよ文化祭本番での話になっていくのですが、なんとここで…恵真ちゃんがミスコンのステージに出ちゃいます!!

和楽器同好会の知名度を高める作戦では一番彼女があれこれと案を練ってはいましたけど、それにしても彼女、ステージを成功させるためなら何でもやりますね…。

しかしミスコンのステージでもやっぱり恵真ちゃんは恵真ちゃんでした。「I LOVE 香乃」とでかでかと描かれた衣装で登場するというのも凄いですが、壇上で香乃ちゃんへの愛を語り、またちょっとでも期待をもった男子達の希望をことごとく打ち砕くというのがいかにも彼女らしい。

それなのにミスコンで優勝しちゃうというのもまた凄い…まあ彼女、間違いなく美人さんですからね。前から何度も言ってますが、この作品の主役4人の中で一番美人なのは恵真ちゃんだと僕は思っています。

いつぞやのお風呂のシーンでもまつげが短くなっていた(=つけま)な美弥ちゃんに対して恵真ちゃんはまつげ長いままに描かれていた、つまりリアルでまつげの長い子なので。


この話ですが、中学時代の同級生と美弥ちゃんが再会する場面も良いシーンです。美弥ちゃんが本当に中学時代とは変わり果てた姿になっていたことに衝撃を受け、また自分達が文集に書いたことが彼女を傷つけていたのではと謝る同級生達。

だけどそんな同級生達に対して、あの文集があったから踏み出せたと言い、「ありがとう」とお礼まで言えてしまう美弥ちゃん。本当に彼女はすごい子だなぁと思います。

物凄く良い子というのは勿論なんだけれど、でもそんな言葉がこうして自然に出るというのは、単に良い子と言うんじゃなくって過去の嫌だった自分も認めて受け止めることが出来て、その上で今、自分の「好き」に出会って前向きにまっすぐに生きているからなんだろうと思います。

そういう点では、このシーンには美弥ちゃんのこれまでの成長が、ぎゅっと詰まっていたと、そう感じました。


そして文化祭本番でのステージ。なんと、マネージャー連合のステージの直後という順番なのですが、でも美弥ちゃん達は本当にきちんとやり切ったと、そう思います。

最後のライブの演奏シーン、作画にも物凄く力が入っていて、みやびあきの先生が描きたかったシーンだというのがひしひし伝わってきました。

このライブを見守るあわゆきさんの言葉に「人によってはきっと…まぶしすぎるね…」というセリフがありますが、これは作中では佐々木さんのことを指してはいますが、実際読んでいる一読者として僕も眩しすぎてもう直視出来ませんでした…。

本当にこの演奏シーンには美弥ちゃん達がこれまで積み上げてきたもの全てが詰まっていたと思います。そして、単に一生懸命とかじゃなく、皆が本当に楽しんで演奏している。自分たちの音を楽しみながら創り上げている。それが伝わる素晴らしい演奏シーンでした。


そして佐々木さん。ここに来るまでにも文化祭下準備の為に美弥ちゃんと2人で外回りをする話があったり、香乃ちゃんのさりげないサポートもあったりと少しは距離が縮まってきてはいましたが…美弥ちゃんがステージで奏でた音はきちんと、佐々木さんの心に届いた様です。

これで美弥ちゃんは自分の「好き」を見つけてまっすぐそこに打ち込むだけじゃなく、その「好き」を通じて何かを人に伝える、そんな一つ上のステージにまで成長出来たんだなぁ…と。

美弥ちゃんという一人の少女の成長物語としては、本当に綺麗な形で、最後まで描き切って頂いたんだなぁと、改めてそう思いました。


マネージャー連合との勝負に引き分けだったと言うのもお見事。大体こういうのって結局負けてしまうパターンも多いように思いますが、と言って勝ってしまうと出来過ぎな気もしますし、引き分けで決着をつけたというさじ加減も見事だと思います。

そして最後にあわゆきさんから美弥ちゃんへのプレゼント。自分は名前をあげられないからと、そう4巻で言ってたあわゆきさんですが、でも彼女が美弥ちゃんへ向けて演奏した「美雪」という曲。

美弥ちゃんの「美」にあわゆきさんの「雪」が入ったその曲は美弥ちゃんにとっては、どんな凄い三味線の師匠に貰う名前よりも、ずっとずっと素敵な贈り物になったのではないでしょうか。


最後、文化祭の喧騒が終わってしんみりするかと思いきや、美弥ちゃんと陽夜ちゃん2人の演奏、そして恵真ちゃん香乃ちゃんもやってきて4人で終わるという締めも良いですね。

4人の楽しい和楽器ライフはこれからもきっと、ずっといつまでも続いていくんだと、そう思わせてくれる、気持ちの良い余韻の残るラストでした。


では、5巻の特典も集めてきましたので以下に。

今回、5巻そのものの特典というよりは4巻との連動特典という形のものが大半ですね。

まず、ゲーマーズのブロマイド。

nadesora20181115_03s

5巻の特典はどうするんだろう…て思ったのですが、あわゆきさん大フィーチャーって感じの特典が大半でした。


とらのあなのイラストカード。

nadesora20181115_04s

こちらも絵柄はゲーマーズと同じ。しかし彼女、まるでモデルさんみたいな美人さんですよね。こんな三味線演奏者、実際にいたらものすごく人気出そうな気がします…。


アニメイトのイラストペーパー。

nadesora20181115_05s

絵柄は恵真ちゃん×香乃ちゃん。大好きな香乃ちゃんに花飾りをつけてもらって真っ赤に照れている恵真ちゃんが可愛いです。

それにしてもこの2人、恵真ちゃんが香乃ちゃん大好きなのはもう完全に隠しようのない事実ですが、香乃ちゃんの方もかなりの割合で恵真ちゃんに依存しちゃっているので、もうさっさと2人は付き合ったほうがいいと思います。

実際、文化祭ミスコンでの恵真ちゃんの告白(?)に対しても香乃ちゃんは真っ赤に照れてうつむきながらも否定する部分は全く無かったわけですしね。あれ…もしや既に付き合っていたりする?(百合脳)


続いてCOMIC ZINのイラストカード。

nadesora20181115_06s

絵柄はアニメイトと全く同じですが、こちらはぺらぺらのペーパーじゃなく、きちんとポストカード的な厚みのある紙なのが良いですね。


最後に、大本命のメロンブックス特典。

nadesora20181115_07s

絵柄はこちらもあわゆきさんなのですが…でもやっぱり、メロンブックスさんは最後までやり切ってくれました!! まさかの和紙製架替カバー!! まさかあわゆきさんまで和紙のカバーで拝めるとは…。


実際にセットしてみるとこんな感じに。

nadesora20181115_08s

nadesora20181115_09s

1~4巻の架替カバーがカバーと言うよりも1枚の「絵」という雰囲気だったのに対し、こちらはきちんとカバーとしてまとまっている、そんな感じに見えますね。

それにしてもここであわゆきさん大フィーチャーされてくるとは…ただ彼女は元々は美弥ちゃんに影響を与え、美弥ちゃんが三味線を始めるキッカケとなり、また美弥ちゃんの師匠的な存在ではありますが、その一方で彼女も美弥ちゃん達の音に影響を受けてきたんですよね。

そういう点では、彼女もまた、この作品の主人公の1人だったのではないかな、と。


最後にこの「なでしこドレミソラ」ですが、4巻5巻と同時発売と聞いた時には僕だけじゃなく、おそらくこの作品のファンなら誰しもが何らかの動きがあるのでは?と期待にも近い想いを抱いたのではないかと思います。

それはアニメ化なりなんらかのメディアミックスだったり…でも、蓋を開けてみればまさかのフォワード本誌では告知無しの最終回、そして今回の5巻で完結という、ファンにとってはあまりにも残酷な事実でした…。

ただそこには編集部なり出版社なり、いやもしかすると、他の外部との繋がりだったり、色々と大きな力が働いてそうせざるを得ない事情があったのだと思います。


そんな状況の中でもみやびあきの先生は最後までこの「なでしこドレミソラ」という作品を描き切って、少なくとも美弥ちゃんという一人の少女の物語としては、これ以上無い綺麗な形で終わらせてくれた。

もうそのことに対して、一ファンとして本当にただただ感謝を述べるしかありません。みやびあきの先生、本当に本当にお疲れ様でした。そして「なでしこドレミソラ」という素晴らしい作品をこの世に産み出して下さったことにも深く感謝致します。

本当にありがとうございました…なでしこドレミソラ、大好きだー!!


Comment
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL :
comment :
password :
secret : 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright (C) 酒と音と鉄旅と。 all rights reserved.
designed by polepole...