「絶滅動物研究所」。
2019年 08月 21日 (水) 16:35 | 編集
さて、今日なんですが、現在名古屋市科学館にて行われている「絶滅動物研究所」なる企画展を観てきました。非常に興味のあるジャンルの展示なので、是非観に行きたいと思っていたんですよね。


さて、名古屋市科学館の開館時間は9時半。ということで9時半より少し前に現地到着。

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名古屋のど真ん中都心にある白川公園、その大きな公園の一角に突如として現れるこのインパクト充分の建物、これが名古屋市科学館です。いやホント、物凄いサイバー感溢れる建物だよなぁ…。

ところで名古屋市科学館、実はかなり館内が広く展示も非常に様々なものを行っています。例えばプラネタリウムなど…なので、せっかく来たからには特別展だけじゃなく、それらもあれこれ観てこようと思ったのですが…現地に着いた瞬間に諦めました。


だって…だって凄い行列!!


ここはコミケの待機列か?と思ってしまうくらいの行列が科学館入り口には出来てました。これ全部、プラネタリウムのチケットを求める人たちの行列とのこと…さすが夏休みだよ。夏休み舐めてたよ!!

プラネタリウム目的で行くのなら、夏休みとかの期間を外してなんでもない平日に行くのが一番良さそうですね。

と言うわけで今回は、特別展の「絶滅動物研究所」だけを観てくることにします。


特別展のチケットを買って、いざ館内へ。そして入り口では音声案内の有料貸し出しを行っていたので、そちらも借りて行きます。こういう企画展って、音声案内があればそれも借りた方がわかりやすく楽しめるんですよね。

展示室に入って、まず出迎えてくれたのは巨大なマンモス。

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まあマンモスと言えば絶滅生物の代表格にして古代哺乳類の代表みたいなところありますからね。骨格標本は各地の博物館でしばしば見かける様な気もします。

でも今回凄かったのは、毛むくじゃらの肉体を再現した下の等身大模型。こちらなんですが、なんでも北海道の子供たちが作成したんだとか。それをパーツごとにばらしてここに運び込んで再度組み立てているみたいですね。

でもパーツの分かれ目とか、全然分からないよ…すごい。

ちなみにマンモスと言うと、人間が捕りすぎて絶滅しちゃった様な印象ありますけど、実は気候変動による食料の減少で絶滅だとか、色々な説や理由があるみたいですね。


次にドードーの骨格標本。

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これまた絶滅動物の代表格みたいなイメージありますね。そしてこの鳥に関しては、絶滅原因はほぼ完全に人間にあると言って良いでしょう。

なにしろ、孤島(モーリシャス)で独自の進化を遂げた為飛べない鳥となっていたドードー。それまでは捕食者がいなかったから良かったけどそこに人間がやってきたから大変。飛べない、おまけに地面を走るのものろい鳥となれば格好の獲物でしか無いですからね…。

更に人間だけじゃなく、人間が持ち込んだ様々な生物によって捕食されたとも言われています。これなんかは現在でも、奄美大島のアマミノクロウサギなんかで起きている事例なので、人間は生きた生物を他の地に持ち込むことに関しては極めて慎重になるべきだと思います。


そしてリョコウバト。

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これなんかは、数ある絶滅動物の中でも人間が原因となったものの中で最も凄惨で悲惨、そして人間の残酷さと貪欲さが分かる例だと言って良いでしょう。

なにしろ元々は何十億という数が生息していた鳥で、それこそ空を真っ黒に覆うくらいの巨大な群れを作るほどの数だったのが、乱獲によって二十世紀初頭に絶滅…。

なんでもその肉が非常に美味だった為に乱獲され過ぎたということですが、それにしても何十億といた鳥が乱獲で絶滅してしまうだなんて、幾らなんでも本当に酷い話だと思います。

まあ、現代と比較すれば生物に対する保護だとか、そういう意識が薄い時代だったということもありますが、それにしてもそれだけの数を捕殺してしまう人類の業の深さ…本当に空恐ろしいものがあります。


ステラーカイギュウの巨大な骨格標本と復元模型。

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館内の暗い照明の中に浮かび上がる姿がなんとも幻想的ですが、勿論こちらも絶滅動物。なんでも仲間を守ろうとする優しい習性があり、その習性の為により多くの数が捕殺されてしまったらしいですね。


さて、絶滅と言うと完全にその生物が地球上からいなくなった事例を指すと思われがちですが、実はそれ以外にも地域絶滅というものがあります。

地球全体で見ればその種自体は存在しているけれど、でも特定の地域からは絶滅してしまったという場合ですね。地域によってDNAが異なったりするので、これもやはり絶滅の例と見なされる様です。

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ニホンオオカミ、ニホンカワウソ、トキ…これらは皆、日本国内からは絶滅してしまったものの、亜種が大陸に生息している、地域絶滅の例ですね。

ニホンオオカミなどは、かつては田畑を荒らす害獣(シカやイノシシなど)を捕食してくれる益獣と見なされていたのが、家畜にも手を出す害獣とされてどんどん殺されていってしまった…そんな人間の身勝手さを表しているとも思います。

そしてオオカミがいなくなったことで再びシカやイノシシが増えてしまって困っているのが現状…人間はつくづく、自らの行いで自らの首を締めているなぁ、と。やはり自然にむやみに手を出してはいけないんですよね。


ただ、絶滅動物にも希望のある例もあって、それがニホンカワウソとトキ。

ニホンカワウソはここ数年で日本国内でもカワウソの発見例があり、しかしDNAを鑑定したところ大陸産のものに近いという結果だったのですが、もし元々、大陸産のDNAを持っている個体が日本に住んでいたとしたら…?

また、トキに関しては日本の野生のトキは絶滅してしまったものの、後に中国から譲り受けたトキを新潟県の佐渡ヶ島に置いて繁殖させ、現在では数百羽のトキが佐渡ヶ島の自然下において生息しているとのことで、これは絶滅生物を復活させられた例とも言えるのでしょう。


あとは絶滅動物だけではなく、絶滅危惧種とその保全についての展示なんかもされていたり。

その中では、なんと言っても外せないのがアホウドリ。

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元々、小笠原諸島などに生息していたのが人間による捕殺等で絶滅してしまい、残るは鳥島で繁殖する個体群だけになったのが、鳥島は火山噴火の危険があり、再び小笠原へ呼び戻そうという運動を行っている様です。

下はデコイと雛を運ぶ為の箱。鳥島で生まれたアホウドリの雛をこの箱を使って小笠原へ運んで育てて自身の故郷が小笠原だと認識させたり、またデコイを小笠原に置いてここに若い鳥を呼び込んだり…。

アホウドリは現代の日本において、絶滅危惧種生物に対する保護保全の象徴にして好例だと見て良いのではないかなと、そう思います。


他には、ジャイアントモアの実物大模型が展示されているコーナーなんかもありました。

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ジャイアントモア、ダチョウなんかと同じく飛べない、地面を走る鳥なのですが、他のそういった鳥と異なるのは「翼が無い」点。たとえ飛べない鳥でも普通は翼があるものなんですが、この鳥は翼が完全に無くなってしまっているんですよね。

ちなみにこのコーナー、完全に親子連れの写真撮影スポットとなっていました。まあ、たしかに写真映えするとは思うのだけど、絶滅動物を前に記念撮影と考えるとなんだか複雑な気分になりますよね…。


…と、そんな感じの「絶滅動物研究所」、前半に関しては上記の通りで非常に興味深かったのですが、後半の展示はちょっと東山動物園に偏り過ぎていたんじゃないかな、と思います。

東山動物園の人気動物の大半が絶滅危惧種であることから、動物園でどんな保全活動をしているのか、また動物園で普段どうやって動物の飼育をしているのかといった展示がされていたのですが、個人的にはその展示はもう少しスペース小さくても良かった気がします。

その分もっと多くの絶滅動物を紹介してほしかったなぁ…と。

(まあ東山動物園を取り上げた方が来客増やせるのかもしれませんが)


まあその点に関しては不満もありますが、総じて良い展示だったと思います。なぜ生き物が絶滅してしまったのか、種類ごとに分かりやすく説明されていましたし、人間がどう自然や動物たちに関わっていくべきかも押し付けがましくなく、さりげなく問題提示されていて良かったかな、と。

夏休みということで親子連れの客がたくさん訪れていましたが、単に「ジャイアントモア大きい」とかだけじゃなく、生物の絶滅や人間と自然との関わりについて考える、そんなキッカケになってくれればなぁ…と思いました。


おまけ。

屋外には個人的にちょっと興味をそそられる展示物の姿がありました。

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まずこちら。名古屋市電を走っていた電車の静態保存ですね。今となっては名古屋、地下鉄とバスばかりの街になってしまいましたけどかつてはこんな市電が走っていたんですね…。

岐阜の路面電車もかなり前になくなってしまったので、東海圏で路面電車が見られるのはもう豊橋だけ、なんですよね。


そしてこちら。

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ロケットの巨大模型。非常に「恋する小惑星」的な展示物でそそられます。こういうの、昨年の夏に訪れたつくばでたくさん見たなぁ…。


…と、そんな名古屋市科学館「絶滅動物研究所」見学日記でした。


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