「スローループ」2巻。
2019年 10月 22日 (火) 12:53 | 編集
では、今月12日に発売されたKRコミックスの中からきららフォワード連載中、うちのまいこ先生の「スローループ」2巻の感想記事、行ってみるとしましょうか。

この「スローループ」、先日の大阪きらら展でも追加展示作品の中に選ばれたりと、単行本2巻にして早くも話題沸騰!!て感じですね。個人的に、「釣り」というきららではマイナーな素材を扱った作品がこうやって注目されるのはとても嬉しいです。


slowloop20191022_01s


さて、2巻の表紙を飾るのはひよりちゃんと恋ちゃん。ていうか恋ちゃん思いっきり目立っているな…そしてこの作品の本来の主人公の1人であるべき小春ちゃんの姿がありませんねw

ちなみに1巻の表紙はひよりちゃん&小春ちゃんでひよりちゃんの手にはフライロッド、そして釣り上げた魚はニジマスだったのがこの2巻では船釣り仕様、手に持った魚もアジという風に変わっています。

なるほど…主人公のひよりちゃんは元々釣り好きと言っても亡くなったお父さんの影響でフライフィッシングしかやらず、実際1巻ではフライオンリーでしたけど、この2巻からは他の釣りにも色々挑戦していくということなのでしょう。

帯にもしっかり「エサ釣り、釣り船初体験」とありますしね。


裏表紙はこちら。

slowloop20191022_02s

てっきり裏に小春ちゃんいるのかと思いきや裏にもいません…代わりにいるのは1人の少女。この子、ひよりちゃん達がお世話になる釣り船の船長さんの妹・二葉ちゃんですね。

彼女と、そして帯に記載された「女の子が釣りしてもいいんだよ!」の言葉がある意味、この2巻の最大のキーとなっている様に思います。


さて、この「スローループ」、1巻では両親の再婚からいきなり姉妹になったひより&小春の2人を中心に、その家族、そしてひよりちゃんの幼馴染みの恋ちゃんとそのお父さんを交えて…といった話が主でしたけど、この2巻では登場人物も増えて、もっと世界が広がる感じですね。

まず前半のエピソードとしては恋ちゃんの誕生日お祝い会。ここで恋ちゃんのお父さん(重度の釣りバカ)が沖縄まで行って釣ってきたマグロにカツオを囲んで皆でパーティ。

この時に釣り船の船頭さん・一花さんとその妹・二葉ちゃんが初登場します。それにしても思うのは恋ちゃん、両親にかなり愛されているなぁ…と。お父さんは奔放だけれど、釣ってきた魚を元に恋ちゃんの誕生日会まで企画しちゃうわけですし。

そして久々に会ったお母さん(キャリアウーマン)の腕にしがみつく恋ちゃんは普段のしっかりとした様子とはまるで違って、ちょっと幼くすら見えて可愛かったですねw


中盤のエピソードとしてはやはり、ひより&小春の船釣り初体験、これは外せません。誕生日会でのあれこれから流れ的に船釣りに行くことになった2人と恋ちゃん。

一花さんの船に乗せてもらって、彼女らがここで挑戦する釣りはアジ釣り。コマセでおびき寄せてそこを釣るという、船釣りの中でも定番中の定番といった釣りですね。

しかしまさか、ひよりちゃんが虫触れないとは思いませんでしたわ…そしてフライしかやらない理由の1つが虫が苦手だから…まあ確かに、釣り餌の虫ってグロいの多いですからね。そういうのが苦手な人がルアーやフライに走るのはわかる気がします。

そして釣り上げた魚で盛大にアジパーティ。アジのなめろうに骨せんべい、アジと夏野菜のサラダ…その作り方・手順も簡潔ながら描かれていて何気にこの作品、料理漫画としてもしっかりしている気がします。

釣った魚はやっぱり責任をもって自分でその命を召し上がってこそ。そういった意味で、釣るだけでなくしっかり「その後」まで描いている辺り、釣り漫画として徹底していると思いました。

一方、釣り漫画としてだけではなくきちんと「きらら」作品らしい、ある種のサービスも忘れていないのもポイント。

釣り船に乗るにあたってその費用を稼ぐためにひよりちゃんと小春ちゃんがレストランでアルバイトをするのですが、その時に可愛らしい制服を着せられるのが小春ちゃんではなく見た目ボーイッシュなひよりちゃんと言うのがマニアックと言うか分かってるなぁ、と。

まあ実際のところ、小春ちゃんは料理が出来るので厨房に回されてしまい、結果ホールに出るひよりちゃんが制服を着る羽目になったというところなんですけどねw

でもきちんとこういうきらららしい要素を忘れていないからこそ、主題の釣りに関してある程度マニアックなネタを入れてもきちんと読者がついてこれるんですよね。その辺りのバランス感が非常に上手いなぁと思います。


さて、この2巻の最大のキーは上記に記した通り、なんと言っても二葉ちゃん周りの話でしょう。

二葉ちゃん、元々釣り船宿の娘として生まれたこともあってか釣りが好きだったり、学校の休み時間も教室にいるよりは男子と混ざって外で遊ぶのが好きな、そんな活発な子だったんですよね。

だけどそれをクラスの女子に「女の子なのに男の子の遊びをやるのは変」「男子が好きだからじゃないか」と心無いことを言われてしまって…それで外で遊んだり釣りをしたりするのもやめてしまったんですよね。

そんな二葉ちゃんだったから、バイト中のひよりちゃんに偶然出会った時につい聞いてしまいます。

「女の子が釣りやってるのってはずかしくないんですか?」と。

それがずっと心に引っかかっていたひよりちゃん。だから彼女は釣り船では自分のサポートを二葉ちゃんにお願いするんですよね。そして自分と釣り友達になって…と、そう約束をします。


そんなひよりちゃん達に二葉ちゃんも次第に心を開いてくれて、色々なことを話してくれる様になります。自分には藍子ちゃんという仲の良い友人がいるけど、その子に釣りが趣味であることを打ち明けるべきかどうか悩んでいる、と。

これって確かにすごく勇気のいることだなぁと思います。仮に自分が世間ではちょっとマイナーな趣味を持っていたとしたら、それを親しい友人に打ち明けるべきかどうか…。

オタク趣味を持っている人ならばそんなこと考えたことが一度くらいはあるのではないでしょうか。趣味を通じて仲良くなった相手ならば問題ないけど、そうではない友人。勤め先や学校などでたまたま気が合って仲良くしている友人たち。

そんな相手に対して自分がオタク趣味を持っていることを打ち明けたら引かれてしまうのではないか、もう友達だと思ってもらえなくなってしまうのではないか…そう置き換えてみると、二葉ちゃんの気持ちは痛いほどに理解出来るかと思います。


そんな二葉ちゃんに対して恋ちゃんが提案したのが「釣りがメインじゃない遊び」に誘うこと。釣り堀のある遊園地に行って皆で遊んで、その流れなら自然に釣りも出来るから、その時の藍子ちゃんの反応で打ち明けるかどうかを考える、というわけですね。

こういう時に的確なアドバイスや提案が出来るのがほんと恋ちゃんの良いところ。思えば1巻ではお互いの親に対しての接し方に戸惑うひより&小春にも良いアドバイスをしていました。

恋ちゃんは見た目は3人の中でもっとも幼いけど、多分精神的には一番成熟していますよね。

逆に見た目…と言うか特定部分が一番成長している小春ちゃんが多分精神的には一番幼い様な気がしますが…w


さて、肝心の二葉ちゃんと藍子ちゃんについてですが…勇気を出して打ち明ける二葉ちゃん。それに対しての藍子ちゃんの答え、結局藍子ちゃんはちゃんと知っていたんですよね。二葉ちゃんが実は釣りや外遊びが好きだってこと。

だから逆に言うんです。自分に無理して合わせていたんじゃないかと。

「わたしに合わせなくていいの」「ふたばがやりたいと思ったこと、ちゃんと選んで」と。

二葉ちゃんのことをきちんと理解して受け止めた上でこのセリフが言える、藍子ちゃんも良い子だなぁと思いました。いや良い子というか、小学生とは思えない程精神的に立派ですよ。

なにはともあれ、2人の絆はより一層強まった様で何よりでした。


でもほんと、帯にある通り女の子が釣りしたって何の問題もないんですよ。いやこれは別に女性に限ったことじゃなく、男性側でも同じ。

世の中にはやはりどうしても「女性の趣味」「男性の趣味」なんて目で見られがちなものがありますが、でもそれって多分社会的に作られたジェンダー観がそう思わせてしまっているだけで、本当はそんなもの無いんじゃないかな、と。

例えば色なんかも子供の頃はピンクは女の子の色、青は男の子の色なんて言われて育った方も大勢いるかと思いますが、でも大人になってみれば男性でピンクのシャツ着る人もたくさんいますし、女性で青いワンピースなんて普通にメジャーですよ。

男性だって可愛いもの、綺麗なものが好きな人はいっぱいいますし、女性だってカッコいいものに憧れたりします。だから女性だろうと男性だろうと、自分の好きなものに対しては堂々としていれば良いんだと、そう思います。


さて、そんな「スローループ」2巻、あちこちで特典集めしてきましたので以下に。

まず、アニメイトとゲーマーズのミニ色紙。

slowloop20191022_03s

slowloop20191022_05s

アニメイトがひよりちゃん、ゲーマーズが小春ちゃん。そして2人とも水着姿に上着、ひよりちゃんの手にはフライロッド、小春ちゃんの手には釣った魚を受け止める為の玉網と、2枚で対というかワンセットな絵柄になっていますね。

しかし…こうして見ると小春ちゃん、かなりおっぱいでかいですね…いやうん、彼女の水着姿が想像以上にえっちではぁはぁしてしまいました(ごめんなさい)


次に、とらのあなとCOMIC ZINのイラストカード。

slowloop20191022_06s

slowloop20191022_07s

絵柄はどちらも恋ちゃん。ただ、雰囲気はかなり違いますね。

まず、とらのあなの方は水着姿に上着、そして横にはクーラーボックスと、上にひより&小春のミニ色紙と合わせた感じの絵柄ですね。ただ、2人が釣りをエンジョイしているのに対し、恋ちゃんは一人パラソルの下でお留守番、といったところでしょうか。

COMIC ZINの方はキャンディを手に持った恋ちゃんがちょっと小悪魔的な表情。キャンディはこの色から言ってグレープ味。作中でもグレープ味が一番好きという描写がありましたしね。

そしてキャンディの瓶に詰められたひより&小春が可愛い…w


今度はWonderGOOのポストカード。

slowloop20191022_08s

絵柄は一花&二葉の姉妹。この巻初登場のキャラというちょっとマニアックなところを突いてきましたね。それにしても水着の一花お姉ちゃんがえっちだ…えっち過ぎていけません!!

そう言えば一花さん、船頭さんだし作中でお酒飲んでる描写もあるから合法なんだよな(何が)

しかしこの姉妹もホント仲が良くていいですよね。2巻の最後の話でも、遊園地での真珠アクセサリー作りで二葉ちゃんが作ったのが一花さんへのペンダントとか…そこにきちんと「いつもありがとうお姉ちゃん」と感謝の気持ちが添えられているのも実に尊い。

まあ、一花さんの方は仲が良いとか通り越して妹バカと言うか絶対妹離れ出来ないだろうなこの人、って感じではありますが…w


最後に、メロンブックス特典の小冊子。

slowloop20191022_09s

笑顔でアジフライを持っている小春ちゃんがとっても可愛らしい。そう言えばこの巻の1話ではひよりちゃんと2人でアジフライ作ってましたね。ああ、僕もこんな可愛らしい娘にアジフライ作ってもらいたいだけだった…。

ちなみに小冊子の中身は4コマ漫画が2本。こちらも可愛らしくてクスリと笑える内容なので、気になる方は是非自分で買って確かめてみましょう。

ところでメロンブックス、2巻の特典はこちらの小冊子なのですが、1巻と連動購入の特典があったので、せっかくなのでそちらもゲットしてきました(勿論既に1巻は持ってるんですけどね…)

それがこちらのクリアファイル。

slowloop20191022_10s

澄んだブルーの背景が、釣りを題材としているこの作品らしいです。

しかし描かれているのがひよりちゃんと恋ちゃんと言うのがまたなんとも。いや確かにこの2人は幼馴染みだからこうやってペアにされても全然問題ないんだけど、でもなんかこれだと小春ちゃんが拗ねちゃいそうだな…あの子、何気に嫉妬深いもんな…w


特典は以上で。

そんな「スローループ」ですが、この2巻では人間関係も釣りの世界も広がりましたね。1巻ではフライフィッシングオンリーだったのが2巻では船釣りに挑戦。3巻以降ではまた新しい釣りに挑戦していくのでしょうか。

一方で人間ドラマをきっちり描いているのは1巻と同様。3巻以降でもその辺りしっかり描いていくのでしょう。釣り描写と暖かみのある人間ドラマと、その双方に今後も期待したいですね。


Comment
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL :
comment :
password :
secret : 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright (C) 酒と音と鉄旅と。 all rights reserved.
designed by polepole...