「まんがタイムきらら'20年7月号」感想。
2020年 06月 20日 (土) 14:51 | 編集
では、9日発売の無印きらら感想、行ってみましょうか。


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・表紙
今月の表紙は「けいおん!Shuffle」「ゆゆ式」「スロウスタート」「あっちこっち」と、無印きららの看板作品揃いぶみの豪華仕様。まあ、なんと言っても200号記念号ですからね。

でも休載多過ぎな「あっちこっち」よりはここで新たな看板として「新妻ちゃん」辺りチョイスしてあげれば良かったのになぁ…と言う気がしなくもありません。


では以下、気になった作品の感想とかツッコミとか。


・けいおん!Shuffle
巻頭カラーもこの作品。最近休載続きだったので前回の内容完全に忘れちゃった気がしますが…。

とりあえず、先輩たちとの対バンを終えてなんだかやたらとテンションの高い真帆ちゃん。うん、これなんか一つやり遂げるとあるあるですよね。そしてその後、自分達の演奏を映像で客観的に見てテンションが下がるところまでワンセットw

まあ、初めての演奏なんてそんなもんですよ…上手く出来たつもりでいても、そんなに上手く出来ているわけがない。初心者ならば尚更そうなんじゃないか、と。

それはともかく今回、新キャラが登場。先輩たちと一緒にバンドをやってた夏音さん。どうやら彼女、しなのさんに愛想をつかされたと思い込んでたみたいなんだけど…でも、どうやらそれはしなのさんも一緒だった様でお互いに誤解が溶けてめでたしめでたし、と言ったところでしょうか。

それにしても後輩組のしなのさんに対する扱いの酷さ…真帆ちゃんと紫ちゃんがハーモニーでしなのさんのこと「バカだから」と言っちゃう辺り…w

しかし夏音さん、弾けなかったフレーズを特訓してようやく弾ける様になったのが三日前って…あれ、もしかしてこの人も初心者さんなのでは…?


・スロウスタート
今月は二本立て。そして二本とも、花名ちゃんの浪人が皆に明かされてしまった、そのことに関するお話でした。特にそのキッカケを結果的に作ることとなった人物・億さんにスポットが当てられた話となっていましたね。

どうやら億さんも億さんで、結構大変な人生を送ってきたみたいですね。

親の仕事の都合で転校がとにかく多く、そのせいでいつの間にか人と深く関わることが無いようになっていった…。

そして彼女と花名ちゃんの出会いなんだけれど、実は億さん、花名ちゃんのことをクラスメートだと認識していなかったんですよね。ただ、彼女が偶然家の鍵を無くして困っていた時に優しく話しかけてくれたのが花名ちゃんだった…と。

それがとても嬉しくて、だからもし、自分がまたすぐに転校するのでなければ花名ちゃんと友達になりたかったな…と、そんな思いを引きずったまま、卒業を前にまた彼女は転校しちゃうんですよね。

億さんが花名ちゃんをクラスメートだと認識するのは、引っ越し後に届いた卒業アルバム、それを見てからのこと。そこで初めて、花名ちゃんが自分のクラスメートだったと知るんですよね。

同じクラスだったときちんと分かっていれば…話しかけることが出来たのに、友達にだってなれたかもしれないのに…そんな想いがあったから、だから花名ちゃんを見かけて、いてもたってもいられず話しかけてしまったんですよね。

この時の億さんと花名ちゃんのエピソード、凄く良いなぁと思います。鍵を無くして困っている億さんに、人見知りながらも精一杯の勇気を振り絞って話しかける花名ちゃん。彼女ならではの優しさが溢れまくっているなぁと感じます。

そして億さんの後悔と、その後悔から来る今回の花名ちゃんへの話しかけ。更に、今度こそ友達になって欲しいとの告白…勿論花名ちゃんはOKします。晴れて二人、友人になれたんだなぁ…と。

そしてここからは花名ちゃんの心の内の独白シーン。浪人だったことを皆にいつか話したいと思ったまま、でも色々と葛藤があって話せなかったこと。だけど皆、真実を知っても暖かく受け止めてくれて…。

この時の受け止め方、栄依子ちゃんと冠ちゃんとたまちゃん、それぞれ三者三様なのがまた、それぞれの個性をきちんと表していて良いなぁと思います。こういう時に泣いちゃうのはたまちゃんなんですよね。

そして最後の、花名ちゃんの号泣。この涙は今まで抱えてきた想いの重さから来るものもあるだろうし、そこから解放されたこと、何より皆に受け入れてもらえた、その喜びが大きいんじゃないかなと思います。

今回の「スロウスタート」とにかく全編に暖かな雰囲気が溢れていて、僕が一番好きだった頃のこの作品が帰ってきたんだなぁと、そんな気持ちになりました。

花名ちゃんの浪人という、この作品一番のキーとなることが明かされてしまったことで作品自体もこれから締めに向かっていくのではと思いますが、もう少しだけ、彼女たちの暖かな学生生活を見守っていたいですね。


・奥さまは新妻ちゃん
新キャラの下間さん、なんだか元サークラな匂いがぷんぷんしますね…自分が可愛いと認識している辺り、自分になびかない男はいないと思っている辺り、そして夫がオタクっぽい辺り…色々と不穏ですw


・ぎんしお少々
おわわわわ…思いっきりミスリードさせられてしまったぞ!!

てっきり、もゆるちゃんの言うすぅちゃんは銀ちゃんの双子姉妹の鈴ちゃんのこと、つまりもゆるちゃんと鈴ちゃんは知り合いかと思っていたらもゆるちゃんの言うすぅちゃんは猫って…!!

ああっこの人達の間に全然何の人間関係も無いじゃないの!!

だけど銀ちゃんは、もゆる→鈴の知り合いだと思いこんで心を許しかけているし、逆にもゆるちゃんは銀ちゃんの勘違いに気付いてどうにかしようと思いつつも挙動不審になっちゃってるし…。

いやこれホントどうするの?www


・しあわせ鳥見んぐ
「佐藤さんはPJK」のわらびもちきなこ先生による連続ゲスト作品。なんだけど…題材がまさかのバードウォッチング!! やばい…自分的にもうヤバ過ぎる題材キタコレ!!

僕、鳥大好きなんですよね。最近でこそやってないものの、学生時代→社会人なりたての頃とか休みになると双眼鏡持って野鳥観察とかよく行ってましたわ。

で、この作品なんですが…野鳥の描写が実にしっかりとしています。そしてまず導入に雀、それからシジュウカラと比較的身近な鳥を持ってくる辺りもナイス。

名前が明かされていない鳥達もしっかりと丁寧に描かれているんですよね。ヒヨドリやカモ(カルガモかな)、キツツキ(多分アカゲラ)など…。

そしてメインに持ってきたのはカワセミ。誰もが知っている綺麗な鳥。だけど実はそんなに珍しい鳥でもなく、見ようと思えば誰でも見に行くことが出来る鳥。そんなカワセミをメインディッシュにすると言う構成も見事。

野鳥の描写の丁寧さと言い、野鳥という題材に興味をわかせるこの構成と言い、わらびもちきなこ先生は恐らく、本当に鳥が好きな方なんだろうなぁ…と。

バードウォッチングを通じて知り合った二人の少女の関係性がどうなっていくのかも気になるところ。まだゲスト一話目ですが、早くも連載化を大大大希望します!!


・トールさんの通り道
トールさんとライムさんの会話、ライムさんの「大人になったら一緒に酒飲んでくれるかい?」に対するトールさんの返し「それまで生き残ってたらね」が不穏過ぎるんだよなぁ…他のきらら作品と違って、何かどこか、本当に危ない世界っぽい感じがするんですよねこの作品の舞台。


・海色マーチ
今月でこの作品も最終回。比屋定さんも流木を無事、久高島に返すことが出来たし目的も達成出来てまあめでたしの大団円と言ったところでしょうか。

…なんだけど、相変わらず比屋定さんとあまねちゃんがあまり仲良くないままっぽいのがいかにもこの作品らしくて面白いですw

どうしてもきららって女の子同士仲が良いのが当たり前みたいになってますが、たまにはこれくらいに辛辣な関係があっても良いですよね。まあ、比屋定さんがあまねちゃんに辛辣になるのは完全にあまねちゃんの自業自得な感もありますが…w

そして最終話でもきちんと、テッポイエビとシノビハゼとか海の生物うんちくをやってくれたのも嬉しいところ。色々と目の付け所が他と違っていて面白い、ユニークな作品でした。

ミナミト先生、連載お疲れさまでした。単行本2巻も楽しみにしています!!


・下を向いて歩こう
ビーチコーミングの究極のお宝が胆石とか言い出した時は一体皆どうしたのと本気で色々と心配になりましたがなるほど…人間の胆石じゃなく、マッコウクジラの胆石(龍涎香)ってことですね。

ネットで調べると随分とバカでかい龍涎香の写真が色々と出てきます…まあそのうちどれが本物なのかは分かりませんが。

ただ、とんでもなく高価なものなのは間違いなさそうですね。でもまあ、これを目的でのビーチコーミングは硝子ちゃんの言う通り、あまりにも非効率なので止めた方が良さそうですね…w


・みらいちゃんねる
ミライくんとユキちゃんのユニット「ユキミライ」の初ライブ。ミライくんは最初緊張していたものの、皆の応援だとかで緊張解けて、ライブも無事に大成功と言ったところ。

しかし…咲ちゃんがミライくんの緊張をほぐす為にぎゅっと抱きしめているシーン、これミライくんが本当に男の子だったらやばいですよね…絶対お姉ちゃん属性に目覚めちゃうところですよね…。

あと、なんだかんだで加子さんのぎゅーで安心している辺り、ミライくんは本当に加子さんの妹なんだなぁと。なんだかんだでお姉ちゃんが一番安心出来るんだなぁと。

それはさておき、衝撃のラスト。まさか…まさかの明日香ちゃんからの告白!!

いやこれどうするの…明日香ちゃんは当然ミライくんのことを男の子と思い込んでいるわけで、その上で告白しているんでしょうし…果たしてミライくん、どうするのでしょうか。

男の子と偽ったまま付き合うのか、きちんと女の子だと打ち明けるのか…はたまた、女の子だと打ち明けるんだけど付き合うことになる百合展開…?

来月の展開が非常にドキドキで楽しみです。


・特別小冊子

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今月は200号記念ということで特別小冊子が付いてきました。中身は漫画作品や応援イラストなどなど…しかしやはり興味深かったのは冒頭の2作、作家さん同士によるコラボ作品ですね。

三上小又先生のネームで篤見唯子先生作画による作品は、絵柄は明らかに「スロウスタート」なのに内容が「ゆゆ式」以外の何者でも無くて読んでて脳がバグを起こしかけました…w

そして湖西晶先生原作で荒井チェリー先生作画の作品…「下を向いて歩こう」本編で出てきた龍涎香がまさかここでの登場!! だけどあっさりゴミと思われて捨てられるオチwww

こういう、作家さん同士のコラボ作品、他にも色々読んでみたいと思うので、こういう企画は積極的にやって頂きたいなぁと思います。


今月は以上で。

このところずっと不満足感を感じていたきらら本誌ですが、今月号は久々に、かなり満足度の高い誌面だったと思います。とりあえず自分の中では本気で応援したいゲスト作品が出てきたことが何よりの収穫、でしょうか。


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